今日は3月3日のひな祭りです。
今朝の四万十川中流域は良い天気となっており気温も少し上がってきています。もう完全に春を実感できるお天気です。(明日は雨のようですが・・)
以前記入した「四万十街道ひなまつり2012」で、ちらほらと大正地域商店街にも見学の皆さんがお越しのようで、今日は少し多くの皆さんを見かける事が出来るかもしれません。
春の暖かさと共に四万十川での春の一日をお楽しみ頂けると良いのですが・・・
さて、今回のテーマ「香りの世界とエネルギー」です。
何度も記入している事ですが、エコロギー四万十は平成9年度の「大正町地域新エネルギービジョン策定調査報告書」を契機として平成11年に地域住民・出身者・関係者の皆さんの出資により設立されました。
自然エネルギー(再生可能エネルギー)を利用して新しい産業を作り雇用の場の確保や交流人口増加の取り組みを行う事を目的としています。
(最終的な夢は 大正地域全体がエコ・エネルギーパークとなる事です)
会社名をエコロギー四万十(エコロジーとエネルギーを合わせた造語です)としたのは、四万十川の環境を守りながら大量生産・大量消費を止めて自然エネルギーを利用した資源循環型産業の創出と小型分散化による新エネルギー利用での社会づくりを目指したものでした。
当初考えていたのは「地域資源活用により希少価値があって次の産業に繋がるものづくり」(特徴のある地域づくり)と言う事で四万十ひのきの里である地域として「森林バイオマス利用」(木質バイオマスの熱・電利用)でした。
エネルギー産業の創出は大規模に考えないと採算性が保てないと言う現実があり、四万十川の中流部に位置する大正地域では相応しくないと考え「小型分散型で採算生が保てるバイオマス利用」と言う提案で平成14年度のNEDO:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の調査事業を行いました。
ひのき材からひのきの精油(ひのきオイル・ヒノキオイル・ひのき油)を抽出し天然香料生産とひのき精油を利用した自然塗料開発により生産されるヒノキ材の高付加価値化を目指すと言うものでした。
次に農業バイオマス利用で四万十川のゆず(ユズオイル・柚子オイル・ゆずオイル)・しょうが(ショウガオイル・ジンジャーオイル)等の精油抽出と広げてきました。
(現在では植物精油抽出装置をフル稼働するため高知県産のぽんかん・こなつ・ぶんたん、愛媛県産の国産れもん・だいだいの精油抽出、その他全国から依頼される植物精油抽出を委託でも行っています)

四万十のひのき・ゆず・しょうがエッセンシャルオイル
ひのき精油抽出残渣(木質バイオマス)とゆず・しょうが精油抽出残渣(農業バイオマス)は固めてブリケット化を行いバイオマス発電・熱利用のエネルギー原料として資源利用に活用すれば完全な資源循環型の産業が模索できます。また各種植物精油類は、食品・化粧品・香粧品へと次の産業に繋がります。
昨年の初めに取材を受けた時「香り・明り・音」と言う話で四万十を表現したのですが、実際は私の頭の中では平成14年後半に植物精油利用についてはほぼ完結していて、次に研究したいのは「粉砕・乾燥技術」でした。粉砕・乾燥は農業バイオマスを考える時にどうしても避けては通れないステップと思っていたのです。
残念ながら平成15年度に実際のテストプラントは作る事が出来ず、ものすごい遠回りをしています。今や香料の世界にどっぷりと浸かった状況で、エネルギー利用の足がかりもできていない状況ですが夢は持ち続けたままです。
香りの世界に入ってみると「和の香り」(ひのき・たたみ・和紙(障子・ふすま等)がどんどん失われていて、子供たち(大人も含めてですが)は合成香料に慣らされて本物の植物の香りを知らず、私たちが懐かしく思う「和の香り」もどんどん失われてきつつあるように思われます。

ひのき材利用の玩具サンプル
上記の画像は以前記入したことのある「ひのきの積み木」を少し進めて「おままごとセット」用にひのき材を加工したサンプルです。今後、ひのき精油を混ぜた自然塗料を塗布してテスト予定としているのですが、上手く行けそうなら積み木と共にひのきの香りを遊びの中から子供たちに感じて貰えるものが出来れば良いのですが・・・
今の子供たちに遊びの中から「ひのきの香りは良い香り」と記憶してもらわないと、大人になって決して「ひのきの家に住もう」とは考えてもらえなくなる。
そうすると、ヒノキ材の需要が増えないで四万十川の山に活力が生まれない。
(四万十川の自然環境を維持できない)
また、ヒノキ材が集まらないとひのき精油の抽出が出来ないと共にエネルギー源の供給が出来なくなる。エネルギーコストががかかる。
と言う論法で、
私たちの夢はいつまでたっても実現しない、と言う事になってしまうのです。
全く関係なさそうな「香りの世界」「自然エネルギー利用」は
田舎の貧乏会社エコロギー四万十にとって
私たちの夢である
農・林バイオマス利用による植物精油抽出と関連する各種産業が育たなくなります。
「自然環境に優しい四万十町」「香りの町 四万十町」を目指していくためにも
四万十町の農・林産物 加工品 ご購入宜しくお願い致します。
今回もまたエコロギー四万十の 戯言でした。