2013年08月30日

柑橘精油の保存について、


 今日は朝からムシムシと暑い日になっている四万十川中流域です。
お盆を過ぎて朝晩は過ごしやすくなってきたのですが、昨夜から台風15号(コンレイ)の影響か朝晩も蒸し暑くなっています。

 今週の頭(8月26日月曜日)には未明から梅雨明け以来初めての雨らしい雨がふり朝晩は少し肌寒いほどの気温になっていたので、今の蒸し暑い状態は非常に不快に感じられます。

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今日の四万十川(8月30日 上岡沈下橋(向山沈下橋)


 上記画像は久しぶりの沈下橋画像ですが、
今週頭の雨も大した雨量では無く四万十川も大きな増水はありませんでした。
日本海側や東北・北海道あたりでは、豪雨災害も出るほどの雨が降っているようです。
今回の台風も非常に心配があります。皆様、お気を付け下さい。

 さて、今回のテーマですが
以前記入した「柑橘精油の光毒性」についてのご質問と共に、よく問い合わせがある「柑橘精油の保存について、」の話しです。(光毒性については「2013年07月06日柑橘精油の光毒性について、」をご参照下さい)

 ご存知のように、柑橘類から抽出した植物精油は非常に酸化が早く、直ぐに香りが変化してしまいます。
そこで、今回は高知大学農学部 柏木丈拡准教授(元:科学技術振興機構研究員)の論文から引用させて頂き保存等に関しての話になります。(この話は2009年06月05日研究成果報告書の内容の一部からの引用です)

 エコロギー四万十より精油類を送付する場合(5ml・10mlのエッセンシャルオイルでは無く、小ロットに対応した精油販売時)、基本的には香料送付用の輸送用スチールボトルを利用しています。
これは、海外輸出時にも利用される密閉度が高く強度もしっかりと確保された専用容器になります。

 ただ、このスチール製のボトルは輸送容器のため長期に保存する時はガラス製の容器に移し替えて利用頂く事をお勧めしています。この部分も是非、気に留めて頂けるとありがたいです。

さて、柑橘精油の経時変化の話しに戻りますが
私達が製造販売する各種植物精油は全て水蒸気蒸留法(一部、超音波利用含む)で抽出しています。蒸留法の良い所でもあり弱点にもなっている所は、不純物がほぼ含まれないと言う事です。

 柏木先生の論文ではゆず精油の時間経過による変化や保存温度による変化・保存方法等について詳しく研究されているのですが、今回は時間経過による変化(経時変化)についてのグラフを利用させて頂きます。

130830-02.jpg
柏木先生の「柚子精油の室温での成分経時変化と保存法の検討」より


上記の画像は「柚子精油を4 ml 褐色スクリューバイアルに1 ml とりわけ、ふたをして25 oC のインキュベーター中で静置した。1 週間に一度ふたを開けバイアル中の空気を入れ換えた。この試料を五本作り、それぞれ1週目、2 週目、3 週目、4 週目、8 週目、12 週目に50 μlサンプリングし、アセトンで20 倍に希釈しGC-MS で分析した。」ものと言う事です。

 ご覧頂いて分かるように、常温では一週間目から変化を見る事が出来ます。
3週間経過したものになると、素人の私の鼻で嗅いでも変化が分かるほどになって来ます。
4週間以上経過すると全くユズオイル(柚子オイル・ゆずオイル・ゆず精油)は違うものに感じてしまうほどです。

 現在、エコロギー四万十で販売するエッセンシャルオイル類の取扱説明書には

「開封後は4℃以下で保存し半年以内を目安に使用ください」と記入しているのですが

長期間ご使用をお考えの皆様にはいつも「冷凍庫に保存して下さい」と話しています。

何も混ぜ物のない100%の植物精油ですので決して凍る事はありません。

冷凍庫に保存して頂ければ成分変化はほぼありませんのでご安心下さい。

上記でも記入したとおり、成分変化が早い欠点があります。

お手間ですが こまめな保存宜しくお願い致します。







(3) 
posted by エコル君 at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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